溶接技術(伸縮継手)
溶接の人は溶接だけ、仮止めの人は仮止めだけ、と作業が完全に分担されている工場も多いのですが、当社では社員それぞれが製品作りの一から十までを担当します。入社12年目になりますが、現在はそれぞれの工程で社員に指示を送るリーダー的な立場として、製造の管理や後輩の教育なども行っています。
世の中にはたくさんの溶接工の方がおられますが、当社の場合は耐熱性・耐震性を溶接にも求められます。普通、溶接する際には余盛(よもり=必要寸法以上に表面から盛り上がった溶着金属のこと)があるものですが、余盛があると振動などに弱く、壊れやすくなってしまうことがあります。ですので、できる限り余盛を抑え、フラットに仕上げること。これが金属の溶接技術のこだわりです。もちろん、そういったものは一朝一夕に覚えられるものではありません。私も先輩の作業を見ながら学び、少しずつ会得していきました。
たとえ同じ製品を作っていたとしても、どうしても熱の影響で素材に熱歪みができてしまいます。同じ温度をかけても素材が伸びたり、縮んだり…と毎回違うケースがほとんどです。歪みがあると製品の耐久性が落ちますので、その歪みを取って、フラットに仕上げる。それはもう何ミリ単位の世界です。今までの経験を活かしながら、ここに熱を加えたら今度はこっちがこうなる…という具合に、目で見て歪みを直しながら製品を作っていく。難しい作業ですが、ニッシンコーポレーションの溶接工である以上、そこには妥協したくないですね。
やはり技術職は職人的な世界ですので、言葉だけではなかなか技術は伝わりません。ですので、後輩の指導時にも手本を見せて会得してもらう。まさに「百聞は一見に如かず」だと思います。またマネージャーという立場からは、社員のモチベーションを高く保つことも心がけています。ニッシンコーポレーションの看板を背負っている以上、いい製品を作っていきたい。それはいつもみんなで話し合っています。
技術力はもちろんですが、社員の団結力も当社の強さだと考えています。時にはとても急なスケジュールで製造しなければならないこともあります。でも、それがたとえ残業になろうと社員は納期に向けて励みます。お客様に欲しいと言われたら、それに応えるのがプロフェッショナルだとみんなが考えているからでしょうね。忙しいから手を抜くのではなく、忙しいからこそいい製品を作りたい。それが私たちの社風なのです。
伸縮継手を今後採用する必要があるお客様には、ぜひ一度当社の製品を使っていただければ、その違いをわかっていただけるはずです。当社の持つ独自の技術力に加え、社員一人ひとりのクラフトマンシップが満足をお約束します。